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『ワイドは相変わらず安い』

 軽自動車のコンポーネンツをベースにした小型車が、ベースになっている軽自動車よりも安く取り引きされているのはどうしてでしょう。実は不人気になった理由について次のような話が聞こえてきます。

「クラス感の違いが感じられないのにランニングコストが高くなる」
「小型車といっても軽カーベースだと信頼感が薄く、すぐに潰れそう」
「安い軽カーでも十分な居住性と動力性能がある」
 などなどです。

 言い換えると、軽カーベースの小型車が不人気なのは、比較対象の軽カーの流通性が高いからともいえるでしょう。少しは相対的な要素も絡んでいると思われます。

 反面、軽カーにはない小型車だからこそのメリットもあります。
「排気量の大きなエンジンを積んでいると、トルクが太くて町中でも高速道路でも走りにゆとりが生まれる」
「やはり居住性では+αの広さがある(同じ場合もある)」
「ランニングコストは軽カーが確実に安いが、中古車で買うときには車両価格が軽カーより安いので、実質的には軽カーベースの小型車が安い」
「少なくとも軽カーと同等の強さは持っているので、信頼感を問題にすること自体が不自然」
などなどです。

 では、中古車市場で「軽カー」よりも割安な「軽カーベースの小型車」を代表するワゴンRワイドの例を紹介しましょう。

ワゴンRワイド(平成9年2月〜11年5月)
ワゴンRワイドXZリミテッド このグレードはZXリミテッドでターボ仕様の2WDですが、11月7日現在では、オークションの評価点が4.5〜5点の極上車の10年式が60万円弱で落札されています。試乗では80万円前後の値付けになります。

 これに対してワゴンRはというと、旧型の9年式でさえいい状態のものになると50万円前後から80万円前後で落札されています。10年式になると90万円前後で落札される中古車もあります。軽カーの場合は荒利が小型車よりも幾分低いために、9、10年式で60万円前後から100万円前後で売られることになります。

 ちなみに新車価格はH9年8月時で、ワゴンRワイド1.0ターボ・2WD・XZ・4ATが133万3000円。ワゴンR660ターボ・5ドアFT・4ATが121万3000円でした。

 それではカタログからスペックのちょっとした比較をしてみましょう。同じ5ドアボディの4AT同士で、ワゴンRワイドはXZターボ、ワゴンRはFTターボで比べました。

エンジンの最高出力/最大トルク
ワゴンRワイド:100PS/12.0kgm
ワゴンR   : 64PS/10.0kgm

パワーウエイトレシオ/トルクウエイトレシオ
ワゴンRワイド:8.7(kg/ps)/72.5(kg/kgm)
ワゴンR  :12.0(kg/ps)/77.0(kg/kgm)

 この値はエンジンの1馬力あたりの負担重量、1kgmあたりの負担重量を表しています。数値が小さい方が負担が少なく、運動能力が優れているわけです。ちなみにワゴンRワイド・XZターボの車両重量は870kg、ワゴンR・FTターボは770kgです。

室内寸法:長/幅/高(mm)
ワゴンRワイド:1,690/1,335/1,310
ワゴンR   :1,685/1,180/1,315

 ワイドになったのだから横幅にゆとりが出て当たり前。でも15p違うとかなり違いは大きくなります。横に15pのゆとりが生まれることと、動力性能が勝っていることによって、ワゴンRワイドはワゴンRよりも、乗員全員の疲れが少なくなり、より長い航続距離をこなすことができるでしょう。

10・15モード燃費(km/L)
ワゴンRワイド:15.2
ワゴンR   :16.8

 その他、大きな違いはフロントブレーキで、ワゴンRワイドがベンチレーテッドディスク・ブレーキなのに対してワゴンRはディスク・ブレーキになります。

 次にランニングコストの計算をしてみましょう。ここでは1年間に必要な税金と自賠責保険料、そして1年間に8,000km走ると想定したガソリン代だけに絞りました。その他の要素はユーザーの条件によって変わりますので、項目から外しました。

項目 ワゴンRワイド ワゴンR
自動車税(軽自動車税) 29,500 7,200
重量税 12,600 4,400
自賠責保険料 16,950 15,350
任意保険(21才未満不担保、12等級で見積もり、他条件揃える) 80,190 56,460
ガソリン代(100円/L) 52,632 47,619
合計 191,872 131,029


 この条件での計算では年間約6万円ほどワゴンRワイドが高くなります。したがって、車両代金の差額があるために2年間使用すると、ワゴンRワイドとワゴンRがトータルで同じくらいの出費になります。中古車の車両価格にもよりますが、2年間の使用で出費がほぼ同じといっても、その間の満足感はやはり軽カーよりも小型車のほうが大きいのではないでしょうか。

 以下の車種も、現在の中古車市場でベースの軽カーより安く取り引きされています。購入の参考にしてください。

ワゴンRプラス
ワゴンRプラス ワゴンRワイドよりも新しいのでワイドほど割安感はでていません。でも、ワゴンRと比べると確実に安く買うことができます。スタイルもワイドよりはあか抜けました。
(写真はXTリミテッド)


ジムニーワイド
ジムニーワイド ジムニーと比べると、10年式のオークションでの落札価格は15万円程度は安くなっています。軽カーの場合は上乗せ額が登録車よりもやや少な目にすることが多いし、諸費用もかかりませんので、小売り時のトータル額ではオークションの落札価格がそのまま反映されませんが、それでも10万円程度安く購入できるのは間違いないところです。
(写真は4WD・JZ)

テリオス
テリオス テリオスキッド10年式のオークションでの落札価格は80〜105万円。それに対してテリオスは70〜95万円。軽カーでも4WD系は幾分上乗せ額が大きくなる傾向があるので、ほとんどこの差が小売りに反映されてきます。本格的に4WDを必要とする走りを求めるなら、1.3Lの排気量はトルクが大きくモノをいいます。

トッポBJワイド
トッポBJワイド ワゴンRワイドにもひけをとらない割安な車種。流通しているのはほとんどが初期型の11年式になりますが、オークションでは4WDも2WDもトッポBJより15万円程度低い価格で落札しています。小売りレベルでも確実に10万円以上安く売られています。エンジンは1.1L。軽カーよりもトルクフルなので近場へのドライブでも確実に快適です。これ以上リーズナブルな中古車はなかなか出現しません。

○例えばこんなユーザーにお勧め
予算:100万円以内
合理的な思考ができる人で、
 ミニバン系は新婚で子供が産まれた若夫婦
 ターボ仕様は、免許取り立てで、ちょっと速い走りがしてみたい若者
 4WD系は釣り好きの方々
 などなど。

●現在はそれほど中古車の相場に差が出ていないので取り上げませんでしたが、このほかにも軽カーをベースとした小型車には、ワゴンRソリオ(ワゴンR)、スィフト(Kei)、エブリィプラス(エブリィワゴン)、エブリィ・ランディ(エブリィワゴン)、アトレー7(アトレー)、タウンボックスワイド(タウンボックス)などがあります。これらの車種全てがそうなるかどうかは分かりませんが、このうちの多くは中古車市場でベースになっている軽カーよりも安く取り引きされるようになると思います。デビューしてから3年くらい経ったら、中古車の相場に注目してみましょう。
エブリィ・ランディタウンボックスワイドワゴンRソリオ
 エブリィ・ランディ           タウンボックスワイド       ワゴンRソリオ


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